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知っておきたい防災・防犯について
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 大人になってから鍵を落としたことは無いのですが、子供のころに鍵を落としたことがあります。落としたのは家の鍵。
 私が小学4年生だった時の話です。ある日の朝、学校に出かける前に母から家の鍵を渡されました。
「今日は用事があって夕方まで家には戻れないから、この鍵を持っていきなさい。なくさないように気をつけるんですよ。」
 いつもは母が家に居るので、家の鍵など持って歩いたことなど無かった私は、家の鍵が渡されたことが嬉しくてなりませんでした。鍵がかかっている部屋、鍵がかかっている箱、鍵が無ければ開けられない。子供のころの私には、鍵は開けられないものを開ける神秘的なもののように思えたのです。授業中もポケットの中にある鍵が気になってしかたありません。何度もズボンの上から鍵を触って、失くしていないかを確認していました。学校が終わって帰るときには、ポケットの中に鍵を入れていることが不安でたまらなくなり、鍵を手に握り締めて帰ることにしました。これが間違えだった。

 一緒に帰る友達のN君が鍵を握り締めている私を見て言いました。
 
「Jyu-zouちゃん、なに持ってるの?」
「家の鍵。」
「家の鍵? 今日、家に誰も居ないの?」
「そうだよ。だから家の鍵を持たされたんだ。今日だけ特別なんだよ。」
 
 私は大切な鍵をN君に見せてあげました。N君にはさほどの興味もわかなかったようです。家の帰り道には橋があります。その橋の手前でN君は道端に落ちている石を拾い上げました。そして、僕の前を歩きながら橋の欄干を石で叩き始めました。
 
 カンカンカンー
 キンカンカンー
 
 N君は歌を歌いながら橋の欄干を叩いています。橋の中ほどまで歩いてきたとき、私も無意識に鍵で欄干を叩いてました。
 
「Jyu-zouちゃん、鍵を落とすよ。」
「えっ! 何? あっ!!」
  
 落としました・・・
 大切な家の鍵を橋の真ん中から落としました。
  
 橋の欄干から慌てて下を覗き込む私の目に、太陽の光を受けキラキラと輝きながら落ちていく家の鍵が・・・
 
 ポチャンー!
 
 結構深い場所に落ちました。探すのは無理です。
 
 混乱している私は、心配してくれているN君をおいたまま、家まで走り出しました。頭の中は親に怒られることで一杯です。
 
「どうしよう。どうしよう。怒られる。怒られる。」
 
 家に着いた私は、家の中には入れません。2階の窓は鍵がかかっていないどろうと考えた私は、父の作業場(父の仕事は大工さん)から梯子を持ち出すと2階のベランダへ立てかけました。近所のおばさんが「何しているの?」と声をかけてきましたが、あせっている私は「大丈夫!」と訳の分からない返事をしました。案の定、2階の窓には鍵がかかっていませんでした。家は入ることに成功した私は梯子をしまい、鍵を失くしてしまった事を忘れるために寝ました。母が帰ってくるまでの、しばしの現実逃避です。

 その後、私は母と父にこっぴどく怒られました。それ以来、私は鍵を失くしたことがありません。しかし、今考えると問題は鍵を失くしたことではないような。子供だった私が鍵を失くしたのにもかかわらず、楽々と家の中に入ったのです。近所のおばさんに目撃されたとはいえ、侵入には成功しているのです。1階の戸締りだけして、2階は開けっ放しでは意味が無いのです。
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